ヒトES細胞を用いた肥満脂肪組織内炎症に対する新規細胞形質変換治療法の開発
Project/Area Number |
18659266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | ES細胞 / 前駆細胞 / 内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / マクロファージ / 脂肪細胞 / 炎症 |
Research Abstract |
我々が既に同定しているヒトES細胞由来血管前駆細胞(VPC)を用いて単球/マクロファージへの分化誘導を検討した。既報にてマウスES細胞にてマクロファージ分化誘導に有効であったと報告のあるSCF、GM-CSF、M-CSF、インターロイキン1α、インターロイキン3、インターロイキン6をヒトVPCに添加することでマクロファージへの分化誘導を試みたが、CD11b(+)CD45(+)細胞はごくわずか得られるのみであった。一方Embryoid Body(EB)を形成した後、上記サイトカインを添加したメチルセルロース培地での培養ではCD11b(+)CD45細胞が10%ほど存在していた。したがって今回使用したヒトES cell株(hES3)においては、マウスES細胞とは異なり、血管前駆細胞からのマクロファージ誘導にはさらなる誘導方法の工夫、feeder細胞の選択が必要であると考えられた。さらにヒトES細胞にてEBを経て得られたCD11b(+)CD45(+)cellsから脂肪細胞への分化誘導が可能であるかどうかを検討したが、脂肪滴を含んだ成熟脂肪細胞は得られなかった。 また、メタボリックシンドロームの成因の一因と考えられる脂肪細胞・炎症細胞の相互作用の解析を目指し、ヒト脂肪組織内に存在する間葉系幹細胞の同定、解析を施行した。これまでに培ったヒトES細胞からの血管細胞、血球細胞分化誘導とそれら分化各段階の細胞の性状解析のノウハウに基づき、緻密なフローサイトメトリーによる解析を通じてヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞(SVF-MSC)、ヒト脂肪組織由来血管前駆細胞(SVF-VPC)の同定に成功した。すなわちCD73(+)細胞群がCD34(±)CD45(-)CD105(-)CD166(+)という単一な細胞集団であることを証明し、CD73(-)細胞群からは脂肪・骨・軟骨細胞誘導が不可能であることを証明した。GPI anchored proteinとして知られるCD73はAMP→アデノシンへの変換を促進し、内皮細胞へのリンパ球の接着を促す事から、CD73(+)細胞がアデノシンを介して脂肪組織内での脂肪細胞と炎症細胞との相互作用に関与している可能性が考えられる。現在、アデノシンアゴニスト・アンタゴニストを使用してSVF-MSCにおけるアデノシンの作用機序を解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)