ユビキチンプロテアソーム系の応用によるメラノーマに対する2段階DNAワクチン
Project/Area Number |
18659326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古江 増隆 Kyushu University, 医学研究院, 教授 (70134583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姫野 国祐 (姫野 國祐) 九州大学, 医学研究院, 教授 (50112339)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 悪性メラノーマ / CTL / DNAワクチン / ユビキチン / ubiquitin-proteasome system / 血管新生因子 / AQP-1 / colon26 / メラノーマ / ユビキチンプロテアソーム / 抗腫瘍免疫 / TRP2遺伝子 |
Research Abstract |
本申請研究において、平成18年度はC57BL/6(B6)マウス由来のマウスメラノーマB16F1に対するDNAワクチン法を確立した。抗原遺伝子はB16メラノーマ抗原遺伝子(TRP-2)とユビキチン(UB)遺伝子の融合遺伝子を用いた。遺伝子銃によりワクチンを受けたB6マウスの抗原提示細胞内(APC)でポリユビキチン化されることにより、ubiquitin-proteasom systemを介してTRP-2がAPC表面のMHCクラスI分子上に発現して、TRP-2特異的キラーT細胞(CD8^+T細胞、CTL)が誘導された。その結果、B16F1メラノーマの増殖は強力に阻止された。しかしこのワクチン法はB16F1より悪性のB16F10メラノーマに対してはほとんど効果が無かった。これはB16F1と異なりB16F10メラノーマにはMHCクラスI分子が発現されておらず、したがって癌抗原ペプチドTRP-2がCTLに提示されないためと考えられた。 そこで19年度は、メラノーマ細胞上の腫瘍抗原を直接ターゲットにするのではなく、腫瘍組織形成における血管新生(neoangiogenesis)に必須のwater channel proteinであるaquaporin-1(AQP-1)遺伝子にUB遺伝子を融合させ、そのキメラ遺伝子を用いて、悪性のB16F10メラノーマに対するDNAワクチンによる腫瘍免疫の確立を試みた。その結果、ワクチンを受けたB6マウスは顕著にB16F10メラノーマの増殖を抑制し、さらに治療効果も発揮した。すなわち腫瘍の移植を受けた後に、治療的にそのDNAワクチンを受けた場合にも著名な腫瘍増殖抑制が見られた。このようにAQP-1-UB遺伝子によるDNAワクチンはMHCクラスI分子を発現していない悪性メラノーマに対しても強力な抗腫瘍免疫を誘導することができた。 さらに本DNAワクチン法はB16F10メラノーマのみならず、BALB/c由来のcolon26(大腸癌)にも同様の抗腫瘍効果を示した。本法はHLAの違いを超えて、また癌抗原の相違を超えて効果を発揮する、全く新規の腫瘍免疫法であり、臨床応用も可能と思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)