新規細胞導入ペプチドによる膵島移植後の生着率向上効果の検討
Project/Area Number |
18659366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
松本 慎一 藤田保健衛生大学, 医学部, 客員教授 (70359834)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 膵島移植 / 蛋白導入法 / アポトーシス / c-Jun NH2-terminal kinase / 1型糖尿病 / 生着率 |
Research Abstract |
今回の研究目的は、1型糖尿病の治療である膵島移植の効率を高め、現在一人の糖尿病患者を治癒するために2-3人のドナー膵臓が必要な状況であるのを、一人のドナーにて治癒させることである。 移植した膵島の生着率は50%以下であり、その大きな原因は膵島細胞のアポトーシスによるものである。今回の研究は「蛋白導入法」という新しいシステムを用いて、膵保存・膵島分離中・移植時に細胞が受けるストレスによるアポトーシスを防ぎ、生着効率を改善することを目的とする。さらに、そのシステムを臨床応用化し、一人のドナーからの治癒を目標とする。「蛋白導入法」は、蛋白導入ペプチドを薬剤などに結合させることにより、従来ウイルスなどの助けが必要であった細胞内への運搬をウイルスの助けなしで可能にするシステムである。ウイルスを用いないために、安全性が高く臨床応用の可能性も高い。我々は、c-Jun NH2-terminal kinase (JNK)が膵臓の保存中にすでに上昇しており、アポトーシスを起こしていることを示し、さらに、蛋白導入ペプチドを結合させたJNK阻害剤により、有効にアポトーシスを予防できることを報告した(Noguchi, Matsumoto et al. AJT2005)。今回の研究でまず、臨床では膵島移植は門脈を経て肝臓へと移植されるが、マイクロサージェリーの技術を用いてマウスの門脈を経て肝臓に膵島を移植する系を確立した(Yonekawa, Okitsu Matsumoto et al. Transplantation 2006)。この系を用いることで、門脈への膵島移植の後、JNK活性が12時間目にピークに達すること、さらに、JNK阻害剤により移植成績が優位に改善することを示した(Noguchi, Matsumoto et al.,Diabetologia 2007)。蛋白導入のメカニズムの基礎的研究として、蛋白導入時に細胞表面のプロテオグリカンが必要であることを示した(Noguchi, Matsumoto et al. Human Gene Ther 2007)。 JNKを蛋白導入法により阻害することで、膵島のアポトーシスが予防できることが今回の研究にて示された。今後の方針として、臨床応用が可能なグレードの薬剤をもちい、膵島移植への臨床応用を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(43 results)