妊娠における免疫抑制型Fc受容体の調節機構の解析:自己免疫疾患合併症の病態解明
Project/Area Number |
18659491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
羅 善順 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (60339439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三嶋 拓也 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 特別研究生 (00398877)
瀧澤 俊広 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90271220)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 産科学 / 妊娠 / 女性ホルモン / 白血球 / 免疫抑制型Fc受容体 |
Research Abstract |
今回の萌芽研究により、女性ホルモンによってどのように免疫システム、特に抑制型Fc受容体(IIb)が制御を受けているのか、妊娠母体特有の性ホルモン環境を利用し、女性ホルモンによる免疫抑制型Fc受容体の調節の仕組みを明らかにするために研究を行った。 初期、後期の正常妊婦さんより採取した血液より、単球、リンパ球、好中球を単離し、RNAを抽出。また、満期産の胎盤からもRNAを抽出した。女性ホルモン受容体(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)とFc受容体(FcRI,IIa,IIb1,IIb2,III,胎児型)mRNAのPCR定量解析を行った。胎盤のFcRIIbは、妊娠初期では僅かな発現のみで、満期胎盤では10倍以上の強い発現の増強を示した。一方、妊婦血液中の好中球のFcRIIbは、妊娠初期では非妊娠時と比較し、減少する傾向にあった。しかし、妊娠週数が進むに連れ発現は増強し、非妊娠時と同じ程度の発現(満期胎盤のFcRIIbと同じ程度の強い発現)を示した。妊婦血液中の単球のFcRIIbの発現量は、好中球の1/4以下であったが、妊娠週数が進むに連れ、好中球とは逆に減少する傾向を示した。 今回の基盤研究により、妊娠中の白血球細胞におけるFc受容体の発現様式を明らかにした。また、胎盤絨毛内の胎児由来マクロファージ(Hofbauer細胞)はFcRIIaのみを発現しており、一方、脱落膜に存在する母体由来マクロファージ、および母体血中の単球はFcRIIaとIIbの両方の受容体を発現していることが明らかとなり、生殖免疫系におけるFcRII受容体に関する新知見を得た。In vitro系を用いたFcRII発現の調節に関する詳細な解析が課題として残された。成果は投稿準備中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)