Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
哺乳類の聴覚は内耳外有毛細胞の伸縮運動により鋭敏なものになっている.その伸縮運動の源は細胞側壁に高密度に発現しているタンパク質モータprestinの構造変化であると考えられている.Prestinについてその同定以来様々な研究が行われてきたが,prestinの形状や構造変化メカニズムは解明されていない.そこで本研究では,prestinの2次元結晶を作製し,その結晶を用いて,原子間力顕微鏡によるprestinの原子レベルでの可視化を目指した.本研究では,まず,これまでに構築したFLAGタグ融合型prestinを安定発現する細胞からprestinを精製した.精製したサンプルをSDS-PAGEで評価し,以降の実験に十分な純度まで精製できていることを確認した.また,細胞上のprestinの構造の安定性を検討した結果,サリチル酸ナトリウムが存在するとprestinの構造が安定することが明らかになった.これはprestinの結晶を作製する際にサリチル酸ナトリウムを添加すると良いことを示唆している.さらに,FLAGタグ融合型prestinを安定発現する細胞の細胞膜を単離し,細胞膜中のFLAGタグ融合型prestinをQ dotで標識した.そして,それを原子間力顕微鏡を用いて,Q dotを示す粒子の周辺の構造物の詳細な形状を観察した.その結果,prestinを示すと考えられる4つの突起を有し直径10nm前後の構造体を観察することが出来た.
|