Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,硬質レジン前装冠金属フレーム上にTiO_2層を密着性よく成膜できれば,従来のオペークレジンの代用となり,冠・橋義歯分野での画期的な技術革新になると考え,電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance, ECR)プラズマによるCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い,硬質レジン前装冠用フレーム金属(金銀パラジウム合金)へのTiO_2層の生成を試みた.本年度は,このCVD法による,TiO_2層の合成条件,その条件による成膜速度の変化などを検討し,成膜の可能性について基礎的検討を行った.予備実験の結果,特にTiO_2層の生成に影響を及ぼすと考えられた,マイクロ波出力(1〜3kW),基板温度(300〜700℃),成膜圧力3〜5Torr)の3つの成膜パラメータについて括弧内のように条件を変化させ,成膜を試みた.その結果,マイクロ波出力2kW,基板温度500℃,成膜圧力3または5Torrが,白色TiO_2層の金銀パラジウム合金への成膜に適した条件であることを明らかにした.生成した膜の高倍率観察では,膜は直径数100nm程度の球状粒子から構成され,さらに,球状粒子が連結して網目状のネットワークを形成していることがわかった. 本年度は,ECRプラズマCVD法による金銀パラジウム合金上へのTiO_2層の成膜を試み,色調,および表面構造の観点から,最適成膜条件を明らかにした. この基礎研究の結果を基に,TiO_2網目構造の内部にレジンを浸透させることができれば,レジンとTiO_2層との密着性が飛躍的に向上し,優れた耐久性を持つことが期待される.
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