生体成分のファウリングを阻止して清浄性を維持する人工材料表面の開発
Project/Area Number |
18659567
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 治 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 信博 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60183852)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 歯学 / 生体材料 / 義歯床 / 抗菌性 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
平成19年度は、光重合型レジン表面硬化材にリン酸エステルを含浸したものをアクリル表面に塗布し、表面電位(ゼータ電位)、接触角、モデルタンパク質の吸着特性を測定した。タンパク質として、1)牛血清アルブミン(酸性)、2)ミオグロビン(中性)、3)チトクロームc(塩基性)を用いた。表面改質材として、無機フィラー含有硬化材(市販のナノコートラボ)にリン酸エステルモノマーを1、3、5%含有したものをアクリル表面(角材)で光硬化させ表面をコートしてこれを吸着媒とした。タンパク質溶液(25mM Tris-HC1,pH7.2)を角材の表面に滴下し、室温・湿潤雰囲気下で一定時間保持した後、経時的にサンプリングしブラッド法によるタンパクアッセイを行い、上澄みのタンパク濃度からアクリル表面に吸着したタンパク量を間接的に定量した。その結果、リン酸エステルの含有量またタンパク質の種類により吸着特性に違いが見られ、特に酸性および塩基性タンパク質で吸着に抑制効果があることが示唆された。ゼータ電位はアクリルでは弱く正にチャージしていたが、リン酸エステルを含有すると負のチャージとなった。また、接触角はリン酸エステルが増えるほど小さくなる傾向があった。このことからリン酸エステル含有による表面改質が口腔内タンパク質群の電荷の違いによる表面相互作用を調節する可能性およびその後の口腔内細菌の付着の調節につながる可能性が示唆された。 平成18年度に作製検討していたリン酸化ポリビニルアルコールはリン酸化率17.7%の合成に成功した。しかし、アクリル樹脂との相溶性が低く複合体は作製できたが、その均一分散性にやや難点があり課題を残した。解決策としてリン酸エステルの高分子化を図りそれをアクリルの重合時に加えることで相溶性を高められる可能性があり、本研究から新しい材料作製の着想につながった。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)