Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
HVJ-リポソームによるおとり遺伝子戦略の臨床試験にむけて,副作用や臓器障害と対策の知見を集積し,臨床応用への最終準備を行った.本戦略による副作用の観察は以下の2点が重要である.すなわち(1)HVJ-リポソーム法に使用するHVJの為害作用,(2)おとり遺伝子導入による特定転写因子抑制による為害作用.この2点について副作用の有無やその対策法の確立の検討を行った. 1)HVJ-リポソーム法に関する副作用の観察 HVJ-リポソームによる遺伝子導入法に用いるHVJはウシにおいて赤血球の凝集活性を示し,ヒトに対する病原性は全く報告されていない.しかも,本法は使用直前のHVJに紫外線を照射しゲノムRNAを断片化させ生理活性を消滅させて用いる.紫外線を照射する前のHVJと,照射後のHVJの電子顕微鏡学的所見では,ウイルス外套膜内に正常なゲノムRNAが,断片化あるいはスメアーになって,生理活性を失っている事が推測された,また,HVJ-リポソーム法ではHVJの外套蛋白の融合能の保存が導入効率に強く影響するが,紫外線照射前後で外套膜の形態学的変化はみられず,その融合能が十分に保存・維持されていることが示唆された. このように既知の知見ではHVJ-リポソーム法は極めて安全なウイルスベクターによる遺伝子導入法であるといえる.しかし,臨床応用にむけて副作用が皆無であること,あるいは予想しえない副作用が出現した場合,その対策法を確立しておく必須となる. そこで,実験的関節症に対してHVJ-リポソームにより遺伝子導入したマウスを使って,肉眼的所見,解剖学的所見,組織学的所見により,副作用の有無について観察した.HVJは肺胞上皮細胞からの感染力が強いとされ,肺,気管,気管支などの呼吸器を中心に肺出血や,うっ血水腫などの変化の有無について検証し,強い副作用を認めなかった.
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