高次脳機能障害に対する看護支援方法の開発-脳血流の変化と動作分析
Project/Area Number |
18659699
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
河原 加代子 Tokyo Metropolitan University, 人間健康科学研究科, 教授 (30249172)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Keywords | リハビリテーション / 高次脳機能障害 / 脳血流 / 動作分析 / 看護介入 |
Research Abstract |
1.本研究は、後遺症として認知機能に障害をきたす割合が高い脳血管障害者を対象に、リハビリテーション病院のベットサイドの生活空間において、患者の動作と脳血流の変化を測定することにより、認知機能のアセスメントと評価、そして具体的な看護方法を開発することを目的とする。 2.対象は、リハビリテーション病院に入院中の脳血管障害者7名(男6名、女1名)と、健常者1,1名(男6名、女5名)の合計18名であった。測定用具は、非侵襲的かつ量的視覚的に測定可能な近赤外光イメージング装置fNIRS(functional near-infrared spectroscopy)島津製作所を用いて前頭葉の脳血流の変化を測定した。看護方法の課題(タスク)の作成と精選-歯をみがく、髭をそる、靴下をはく、靴をはく、ボタンをかける、手洗いをする、字をかく、塗り絵をぬる、字をよむ、ルービックキューブ、アイスマッサージ、箸をつかうなど16動作を実施した。 3.全タスクにおいて、健常者、脳血管障害者の両者で、介助よりも自力で行った際の脳血流量の変化が著明であった。脳血管障害者が生活動作を再獲得していく過程において、自力で行うことへの看護介入の段階的な援助は、刺激として有効であることを新ためて視覚的に確認することができた。また「食べる」タスクは、他のタスクに最優先して援助される必要がある。「食べる」能力の再獲得は他の日常生活動作の能力を引き出すきっかけともなり得る。この脳賦活化の良質な刺激となるタスク動作の順序性と段階的な刺激の提示が、障害者の機能レベルに合致した介入方法としてプログラミングされることが重要である。こうした看護介入の根拠を明らかにすることは、同時に患者及び家族にとっても機能回復にむけた訓練の効果を視覚的に知ることが可能となる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)