Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
ナノデバイスでは、その電気的特性を制御するために導入される不純物原子の離散性が顕在化し、ランダムな分布故、デバイス毎に不純物原子個数および位置がゆらぐ結果、デバイス特性がバラつく、いわゆる"不純物ゆらぎ"が問題となる。本研究では、単一イオン注入法を用いて、半導体晶中に不純物原子を規則的に配列させた新しい半導体デバイスを創製し、不純物原子配列方法が半導体電気的特性に与える影響を調査する。不純物原子分布のデバイス特性への影響を調査するために、不純物分布を偏在させたSi抵抗体を試作した。電子線リソグラフィーを用いて、長さ500nm、幅2.5μmの抵抗体上に幅200nmのイオン注入用窓を有するマスクを形成した。イオン注入窓をチャネル中央、およびチャネル中央からソース側へ200nmの位置に設け、30keVのPイオンを1×10^11cm^-2注入し、2種類の不純物分布を有する抵抗体を実現した。ドレイン側に偏在する抵抗体は、ソース側に偏在させた抵抗体を電気的にソース/ドレインを入れ替えることによって実現している。レジスト剥離後、窒素雰囲気中、900℃、5minのアニール仁よって注入イオンの電気的活性化を行った。ドレイン電流のゲート電圧依存性を計測したところ、チャネル中央に不純物分布を有する抵抗体では、ソースとドレインを入れ替えても特性は対称であったが、チャネル中央からソース側へ200nmの位置に不純物を配置した抵抗体では、ソースとドレインの入替によって特性が変化することが判明した。不純物原子がソース側よりドレイン側に偏在する方が、ドレイン電流が高くなる結果が得られている。ナノデバイスで顕在化する不純物原子の離散性を考慮したナノデバイスのモデリングが世界的中で進められているが、サブミクロンデバイスにおいて不純物分布の違いが電気的特性に及ぼす影響を初めて実験的に検証した。
All 2007
All Presentation (6 results)