水溶液中の酸化チタン単結晶基板上における競争的光反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
18685015
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今西 哲士 Osaka University, 基礎工学研究科, 准教授 (60304036)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥16,510,000 (Direct Cost: ¥12,700,000、Indirect Cost: ¥3,810,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2006: ¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
|
Keywords | ルチル / 酸化チタン / 発光 / 酸素発生 / 紫外光 / 微斜面 / ステップ / 単結晶 / 蛍光 / ステップサイト / テラスサイト |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、ルチル型単結晶面上における水光酸化反応の電解液pH依存性を調べた。その結果、pH値が増大するに従い、発光強度が減少することが確認された。さらに、pH依存性を細かく調べたところ、単調に減少するのではなく、pH5および、pH13付近で急激に減少していることが分かった。pH5付近が、Ti02の等電点であることから、表面の-OH基が-OHのとき(酸性条件下)は、ホールが最表面プラスチャージにより最表面のブリッジ酸素(酸素発生サイト)に近づけず、その分発光サイト(3配位格子酸素)で再結合を起こし、発光する。また、アルカリ条件下では、容易にブリッジ酸素に近づけるために発光は抑制されたものと考えられる。さらに、pH13付近での急激な発光減衰は、Ti-0-種が形成されたことにより、Ti0-種にホールがトラップされ、酸素発生反応が活性化されたためと考えられる。この酸素発生反応は、反応課程で格子結合の切断を伴わないのが特徴であると考えられるが、実際に長時間光を照射し続けても、表面構造に全く変化がなかった(AFMより)ことからも正しいことが分かった。 一方で、step構造を制御したTi02単結晶面を用いて、発光強度の変化を調べた。その結果、terrace幅が大きい試料の方が、発光が強く観察され、発光サイトがterraceに存在するという従来のモデルを裏付けることが出来た。さらに、同じテラス幅を持ち、異なるstepラインを持つ試料同士の発光強度を比較したところ、<001>方向に平行な方向にstepラインをもつ試料で最も発光強度が強くなったことが分かった。Stepサイトの反応性がほとんど変わらなかったことから、このことは、Ti02表面でホールの異方性拡散が起きており、これが発光および酸素発生反応性に深く関わっていることが分かった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)