Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
『AMPKに関する研究』AMPKは、生体のエネルギー代謝調節に関わる重要な因子であり、肥満・糖尿病治療薬の標的因子として注目されている。我々は、脂肪細胞から分泌されるレプチンが骨格筋に作用するとAMPKを活性化し脂肪酸酸化を促進し、視床下部に作用するとAMPK活性を低下させ摂食行動を抑制することを報告している。本研究期間では、骨格筋培養細胞C2C12、神経芽腫細胞SH-SY5Yおよびマウスを用いた研究から、以下の結果を得た。<骨格筋およびC2C12を用いた研究>レプチンによる骨格筋AMPKの活性化には、骨格筋に対する直接作用と交感神経/αアドレナリン受容体経路による間接作用が知られている。直接作用ではTAK1/ATM複合体が、間接作用ではCaMKKが、それぞれAMPKKとして機能する。<視床下部AMPK研究>1)CaMKKが視床下部AMPKを活性化している。2)レプチンはCaMKKを抑制し、その結果AMPKを抑制する。3)アディポネクチンによるAMPK活性化はLKB1を介する。4)レプチンによって活性化しCaMKKを抑制する新規因子CIPPを単離した。5)CIPPは弓状核に発現している。『ARK5に関する研究』我々の単離した癌悪性化因子であるARK5はAMPK関連因子であり、エネルギー代謝に重要なである骨格筋に発現している。骨格筋培養細胞C2C12を用い研究を行った結果、以下の結果を得た。<骨格筋ARK5研究>ARK5を内在的に発現しているC2C12でDN-ARK5を恒常的に発現する株を作製し、インスリンによる糖取り込み反応およびレプチンによる脂質代謝反応について調べた。ARK5の活性をDN-ARK5で抑制すると、インスリンによる糖取り込み反応が抑制されたが、レプチンによる脂質代謝反応に変化はなかった。本研究の更なる発展のため我々は、本研究期間にDN-ARK5を骨格筋に特異的に発現する遺伝子改変マウスを獲得した。
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Molecular and Cellular Biology 27
Pages: 4317-4327
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