Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
|
Research Abstract |
唐辛子の辛味の主成分であるカプサイシンは,transient receptor potential V1 (TRPV1)を介して感知される。辛味は一般には味覚と思われているが,生理学的には痛み(侵害性刺激)とされていてこれまでは純粋な味覚の神経である鼓索神経にはTRPV1は存在しないと予想されていた。しかし我々のプレリミナリーな実験では味覚経路にカプサイシン受容体が発現していることが示唆され,本研究「味覚経路に発現するカプサイシン受容体(TRPV1)の機能解析」が開始された。平成18年度は電気生理学的(鼓索神経whole nerver ecording),分子生物学的(RT-PCR),組織学的(in situ hybridization)に味覚経路にTRPV1が発現していることを確認した。 本年度の成果を報告する。 1.孤束核味覚領でのTRPV1の分布:ラット孤束核で免疫染色を行い,TRPV1含有神経線維を確認した。 2.孤束核味覚領のTRPV1含有神経線維の由来神経の検討:手術的に膝神経節を破壊し,孤束核で免疫染色を行った。味覚領のTRPV1の免疫反応が減衰したことから,鼓索神経由来であることが示唆された。 3.カプサシン刺激による味覚領でのc-Fosの発現:中枢神経活性のマーカーであるc-Fosがカプサイシン投与により孤束核味覚領で発現することを確認した。 4.ヒト舌での「辛味地図」の作製:ボランティアを被験者にして辛味の知覚検査を行い,辛味を感じ易い場所と味覚が敏感な所(舌乳頭)が一致することが判明した。 5.中耳手術後の片側鼓索神経切断患者でカプサイシン知覚の左右差の確認:鼓索神経切断側の方がカプサイシンに対し鈍感であった。 以上,ほぼ申請した研究計画調書の通りに進行した。 本研究の結果がら辛味ば単なる侵害刺激でほなく味覚に大変近い感覚であると考えられた。
|