癌骨浸潤におけるヘッジホッグの破骨細胞性骨吸収とそのメカニズムの解析
Project/Area Number |
18689049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
志茂 剛 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40362991)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥29,120,000 (Direct Cost: ¥22,400,000、Indirect Cost: ¥6,720,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2006: ¥26,260,000 (Direct Cost: ¥20,200,000、Indirect Cost: ¥6,060,000)
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Keywords | 破骨細胞 / ヘッジホッグ |
Research Abstract |
口腔悪性腫瘍において,顎骨浸潤,顎骨破壊はしばしば認められ,治療法の選択,手術範囲の決定,そして予後を左右する負の要因となっている。これまでの研究から腫瘍細胞から高産生されるヘッジホッグ(SHH:ソニックヘッジホッグとIHH:インディアンヘッジホッグ;以下Hh)は肢芽,長幹骨の形態形成や発育に重要な役割を担うだけでなく,ヒト造血系幹細胞の増殖能を亢進させ,骨折の初期段階で破骨細胞誘導因子receptor activator of NF-κB ligand(以下RANKL)を介した骨のリモデリングに関与することが報告されている。事実我々の研究からも骨微小環境においてHhはマウス骨髄細胞,マウスCDllb(+)細胞,RAW264.7細胞におけるRANKLによって誘導促進された破骨細胞分化を促進させることを酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRAP)染色明らかにした。またSHHはCDllb(+)を用いた破骨細胞Dentin slice上の吸収活性促進作用をもち,smo-floxedマウスCDllb(+)細胞Creリコンビナーゼアデノウイルス感染で,コントロールウイルス添加群と比較して有意に破骨細胞形成能が抑制されることを示した(ASBMR 29th Annual Meeting Honolulu,HI,USA September 16-19,2007にて発表)。またノーザンプロット解析により破骨細胞はHhのレセプターPatched(Ptch)を高発現しており,また,Ptchプロモーター領域にβ-galactosidaseを結合させたHhレポーターマウスを骨折させると,24時間以内で骨髄にTRAP陽性の多核の破骨細胞様細胞が出現し,破壊性の刺激を骨に与えると,破骨細胞形成,活性化に必要なHhシグナルが活性化することが明らかとなった。さらに,Hhの破骨細胞分化に与えるシグナルを検討した結果,SHHでRAW264.7細胞を刺激すると,24時間後よりnuclear factor of activated T cell cytoplasmic 1(NFATcl),また2日後より破骨細胞分化マーカーであるTRAP,cathepsin K発現が上昇することが明らかとなった。これらの一連の結果からHhシグナルは癌骨破壊成立機序に重要な役割を担っており,Hhシグナルを標的とした骨転移の予防およびその治療に応用することは臨床上重要な課題として位置づけられると考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)