Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
前年度までに考案した,キャッシュやパイプラインなどのCPUアーキテクチャ情報を考慮したパラメトリック実行時間解析手法の改良と実装および実験的評価を行った.考案した手法は,有限オートマトンから正規表現を求める古典的なアルゴリズムの応用であり,プログラムの指定した区間の実行時間の上限と下限を,指定した箇所のループ回数に対応するパラメータ変数,および,動作周波数などのCPUアーキテクチャに関するパラメータを含む式の形で導出するものであるレこの手法は,考慮すべきCPUアーキテクチャ情報が複雑な場合,解析にかかる時間計算量が膨大となり現実的でないため,実際の組込みソフトウェアでよく用いられるCPUアーキテクチャの調査を行い,対象とするCPUを,キャッシュなし,同時発行命令数1で,各命令の実行時間の上限と下限をCPU動作周波数やメモリアクセスサイクルなどに関する関数の形で与えられるものとした.また,プログラムの制御構造によっては,正規表現の非-意性が原因で,ループ構造を反映しない式の導出が行われることがあることが判明した.この問題の解決のため,アルゴリズムを修正し,ループ構造を正しくパラメータ条件式に反映するための工夫を行った.得られたアルゴリズムを実装し,実時間画像認識プログラムの実行時間解析に適用し,実時間制約を満たすためのパラメータに関する条件式の導出を試みた.その結果,実時間制約を満たすための,画面解像度などのプログラムパラメータ,および, CPU動作周波数などの実行環境パラメータの関係式を,既存のプログラムコードから実用時間で得ることが可能となった.この結果は,既存の実時間ソフトウェアを新しい実行環境の下で再利用する上で基礎的.かつ,有用な成果であり,今後,割り込みやマルチタスクなどの,より高度なソフトウェアアーキテクチャヘの拡張を行う上で意義ある結果であると考える.
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