長期増強誘発刺激による海馬苔状線維終末での神経伝達物質放出効率の変動解析
Project/Area Number |
18700305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石塚 徹 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 講師 (10344714)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 開口放出 / 長期増強 / 海馬 / プロテインキナーゼC / シナプス / 神経伝達物質 / イメージング / 神経科学 |
Research Abstract |
海馬苔状線維-CA3シナプスでは,シナプス前性の長期増強が起こることが知られており,そのメカニズムとして開口放出の増強が挙げられている。セカンドメッセンジャーであるジアシルグリセロールの類似体・フォルボールエステルは,プロテインキナーゼC(PKC)/munc 13カスケードを活性化し,開口放出確率の増大及び放出可能な小胞プールの増加により開口放出を増強する。苔状線維終末は形態的・機能的多様性を有しており,開口放出増強メカニズムも個々の終末で異なることが示唆されているが,その詳細は不明である。本研究では,海馬苔状線維終末でのフォルボールエステルによる開口放出増強メカニズムを,個々の終末ごとに解析した。 海馬苔状線維終末に特異的に開口放出プローブ(シナプトフルオリン)を発現しているトランスジェニックマウスの脳から海馬を摘出し,定法により急性スライスを作製した。共焦点顕微鏡下に苔状線維終末を同定し,個々の終末における開口放出を光学的に計測した。その結果,フォルボールエステルの添加によって,あるシナプスにおいては,開口放出量に変化はないが開口放出速度が増大しており,別のシナプスでは,開口放出量が増大しているが開口放出速度には変化はみられなかった。さらに開口放出能をほとんど有していないシナプス(サイレントシナプス)の賦活化も観察された。これらの現象はPKC阻害剤共存下ではみられなかった。これらのPKC依存的な開口放出増強作用は,放出可能なシナプス小胞プールの増大や即時放出可能な小胞プールへのシナプス小胞の供給速度の増加によって引き起こされると考えられる。一方,PKC阻害剤共存下でもシナプス伝達効率の増加がみられたが,これはPKC非依存的な(munc 13などに依存した)メカニズムによる即時放出可能な小胞プールの増大によって引き起こされると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)