Project/Area Number |
18700365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
清水 健史 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 研究員 (60398237)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 神経前駆細胞 / 増殖 / 分化 / FGF / GSK3β / Notch / β-catenin / 細胞分裂 / 神経分化 |
Research Abstract |
増殖と分化の相反する性質は一般的な細胞系譜制御の根本原理のーつである。すなわち増殖の盛んな中枢神経系前駆細胞は未分化状態を保ったまま数を増やすが、ひとたび細胞周期をはずれた前駆細胞はニューロンやグリアへと分化する。しかしながら、増殖と分化を同調させる分子メカニズムについて未だ不明な点が多い。神経幹細胞を再生医療で使用する際に、細胞数とニューロンへの分化をコントロールする上で、その分子メカニズムの理解は重要である。昨年度までに我々は、FGF2シグナルによって神経上皮細胞の増殖が促進される際に働く主要な経路として、PI3K-Akt経路を介したGSK3βの不活性化によるCyclinD1の発現上昇を明らかにしてきた。またFGF2が細胞の未分化性を維持する分子メカニズムとして、PI3K-Akt-GSK3β経路を介して、Notchシグナルの標的であるHes遺伝子発現を増強し、細胞分化抑制に働くことを見出した。平成19年度には、我々は新たにGSK3βの不活化の後、β-cateninタンパク質がNotch1細胞内領域と直接相互作用することを見い出した。その際、β-cateninとNotch1細胞内領域の複合体は、転写のcoactivatorであるp300やP/CAFとも結合し、その結果Hes1プロモーターが活性化される分子機構を新たに明らかにした。またクロマチン免疫沈降法によって、β-cateninタンパク質が実際にHes1プロモーターに結合することを確かめた。次に、生体内における細胞系譜への影響を調べる目的で、子宮内電気穿孔法を用いてGSK3の機能を解析した。その結果、GSK3ノックダウン細胞が脳室周囲に限局したことから、GSK3が神経前駆細胞の未分化性維持を制御する可能性が示唆された。これらの結果から、増殖と分化を同調させる分子メカニズムのーつが明らかになった。
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