ノックアウトマウスを用いた生体内におけるマイクロRNAの機能解析
Project/Area Number |
18700397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory animal science
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蓮輪 英毅 Osaka University, 微生物病研究所, 助教 (50343249)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | miRNA / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究は、動物個体レベルでのmiRNAの機能を明らかにするために、miRNAノックアウトマウスを作製し解析することを目的して研究を遂行した。マイクロRNAの個体レベルにおける役割を調べるためにmiR-200bを選び、ES細胞を用いた相同組み換え法によりノックアウトマウスを作製した。その結果、miR-200bをノックアウトしたマウスは見かけ上健康であったが、雌が不妊傾向を示した。この原因を探ったところ、下垂体の機能異常による排卵不全であることが示唆された。そこで下垂体前葉から分泌される排卵ホルモンであるLH-b、FSH-bの発現をリアルタイムPCRで定量したところ、発現量が減少していることを見いだした。さらに卵巣の組織学的な形態を調べたところ、LH-bやFSH-bのノックアウトマウスと同様に黄体形成が見られなくなるなどの異常があることがわかった。これらのことから、miR-200bは下垂体前葉における排卵ホルモンのレベルを正常域に調節していることが示唆された。 マイクロRNAノックアウトマウスに見られる不妊の表現型がmiR-200bを欠損させたことに直接起因していることを確かめるために、全身でmiR-200bを発現するトランスジェニックマウスを作製し、表現型のレスキュー実験を行った。その結果、miR-200bをノックアウトしてもかわりにmiR-200bトランスジーンをもつマウスでは不妊の表現型が回復したことから、不妊の表現型はmiR-200b欠損そのものにより引き起こされていることを証明することができた。 これらの研究成果により、miR-200bは動物が繁殖し種を保存するという生命現象の中でも最も重要な働きにかかわるmiRNAであることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)