Project/Area Number |
18700482
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Rehabilitation science/Welfare engineering
|
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
多田 美香里 Kansai University of Welfare Sciences, 社会福祉学部, 講師 (30425037)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 空間把握 / 高齢者 / 安全性 / 移動 / 年齢差 / 身体幅 / 身体感覚 / 加齢 / 空間記憶 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、高齢者が安全に移動するために何が必要かを検討するための基礎的研究として、高齢者の空間把握と身体感覚について心理実験を行った。空間幅の大きさを離れた場所から目視によって、接触せずに通過可能かを判断させ、現実に通過可能な空間幅との違いを調べた。空間の大きさの見積もりについては、見積もりの正確さに年齢差はみられないが、見積もりの修正に年齢差がみられるという結果が得られた。高齢者は若年者に比べて、一度形成した空間の大きさに対する見積もりを変えたり、状況に応じて見積もりを修正するという傾向が少ないと考えられる。さらに、荷物を持った場合の移動や、移動補助用具を用いた場合を想定して、身体幅を一時的に変化させた場合についても検討を行った。身体幅を大きくすると、通過可能と感じられる空間幅の大きさは、実際に増加した幅よりもさらに大きい幅となり、身体幅を段階的に大きくした場合には、身体幅の増加率よりも通過可能と感じられる空間幅の増加率のほうがより大きいことがわかった。この傾向は、若年者と比較すると高齢者のほうがより顕著にみられ、高齢者は、身体幅が一時的に増加した場合は、増加した幅よりもさらに大きい空間幅でなければ通過が可能とは感じられないといえる。このことから、荷物を持ったり、移動補助用具を用いて移動する場合には、高齢者は身体のそばにある障害物に対して、実際に必要な間隔以上に、距離をとろうとする傾向があり、移動しにくさや不安をより強く感じやすいということにもつながると考えられる。ただし、個人差は大きいものの、背後の空間については、増加した幅よりも小さい幅で通過可能と判断され、障害物に接触したケースもみられた。今後、高齢者の移動における安全性について検討するためには、身体を取り巻く空間全体の見積もりの正確さも考慮して検討する必要がある。
|