Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
1.目的:本研究は,ヒト運動時の皮膚血管拡張が低血液量により抑制される現象に,皮膚血管を支配する皮膚交感神経活動(SSNA)が関与しているか否かを明らかにするものである。 2.方法:被験者は正常血液量時(Nor)と低血液量時(Hypo;Δ=-10%)にそれぞれ10分間の安静後,50%VO_(2max)の運動強度で20分間の自転車運動を行った。この間,橈骨神経浅枝よりSSNA,その支配領域である橈側手背部において皮膚血流量(SkBF;レーザー血流計),その近傍で発汗速度(SR;カプセル換気法),さらに食道温,平均皮膚温,平均血圧(MAP),心拍数(心電図)を測定した。 3.結果:安静時心拍数は,Norで59拍/分,Hypoで64拍/分であったが運動20分目にはほぼ135拍/分で同じであった。脈圧は安静時から運動時にかけて,Norに比べてHypoにおいて17-30mmHg低下した。運動による安静時からの食道温の上昇は,Norで0.4℃,Hypoで0.5℃であった。食道温上昇により皮膚血管コンダクタシス(CVC=SkBF/MAP)とSRは両条件でともに上昇した。しかし,食道温上昇に対するCVCとSRの上昇は,Norに比べてHypoにおいて,ともに27%抑制された。SSNAバースト発生頻度は安静時にはNorで35バースト/分,Hypoで25バースト/分であったが,運動時には両条件においてともに50-60バースト/分程度まで上昇し,ほぼ等しかった。SSNAバースト振幅も食道温上昇により両条件で上昇したが,食道温上昇に対するバースト振幅の上昇は,Norに比べてHypoにおいて,28%抑制された。 4.結論:運動時における皮膚血管拡張と発汗反応は,低血液量により抑制される。この抑制はSSNAのバースト振幅の抑制により説明できる。以上より,運動時の皮膚血管拡張が低血液量により抑制される現象に,SSNAが関与することが示された。
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