Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
平成18年度,腹部内臓領域の3つの血管(腎動脈:RA,上腸間膜動脈:SMA,脾動脈:SA)を標的として,脚自転車運動時の腹部内臓血流応答の地域性を検討した結果,これらの測定対象血管において血流応答の差異が認められた。この差異は,おそらく交感神経活動による血管収縮の違いであろうと推論し,本年度は交感神経活動の大小が運動時の腹部内臓血流応答に及ぼす影響について実験を行った。心拍数(HR)が約100拍/分(bpm)という閾値を超えると全身性の交感神経活動が顕著に増加し始めることから,運動強度をHRに基づいて100bpm以下と以上になるように設定し,両強度での脚自転車運動中の腹部内臓血流応答を超音波ドップラー法によって測定した。運動強度は被検者毎にHRがほぼ90bpm(Ex-90)ならびに130bpm(Ex-130)に相当する2種類を設定した。プロトコールは,安静3分の後,各強度で脚自転車エルゴメータ運動を半仰臥位姿勢で4分間行った。MAPは,Ex-90では安静時に対して有意な変化が認められなかったが,Ex-130では約30mmHg増加した。血流速度(BV)は,RAではEx-90で安静時に対して約10%減少し,Ex-130では約20%減少した。SMAは,Ex-90では安静時に対して有意な変化はなかったが,Ex-130では約20%減少した。血管抵抗指数(RI)は,RAとSMA共にほぼ類似な増加傾向を示し,Ex-90では安静時に対してRAで約15%,SMAで約10%とわずかな増加であったのに対して,では両血管共に約80%も増加した。つまり,交感神経活動の増加に伴ってSMAのBVおよびRIもRAと同様に同程度の変化を示し,HRが130bpmに到達するような中強度運動では低強度運動時にみられる腹部内臓血流応答の差異(地域性)は確認されなかった。
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