Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
高齢者の転倒は,骨折・寝たきりにつながる可能性のある重大な問題と考えられている.高齢者転倒の一要因として,足関節柔軟性の低下が考えられている.関節の柔軟性と傷害の関連性に関して,Ekstrand and Gillquist(1983)は,柔軟性の低下は傷害の素因である事を示した.こうしたことから,転倒や傷害の予防のために,関節柔軟性向上を目的としてストレッチがしばしば行われる. 本研究では,ストレッチを異なる膝関節角度,足関節角度で行った結果,ストレッチ前後における腓腹筋スティフネスの減少率に関して,関節角度の影響が認められた.すなわち,二関節筋である腓腹筋筋長が大きく引き伸ばされる関節角度の組み合わせ(膝関節をより伸展し,足関節をより背屈する)においては,腓腹筋スティフネスはより減少する傾向が認められた.一方,足関節背屈の程度が大きすぎると,腓腹筋に大きなつっぱり感を感じ,ストレッチ遂行が難しい場合もあった.腓腹筋を除いた足関節回り組織(ヒラメ筋,靭帯,関節包,皮膚)のスティフネスは足関節背屈角度に依存する為,この腓腹筋を除いた足関節回り組織のスティフネスを高める為には,腓腹筋伸長の程度を小さくするため,膝関節を屈曲するのがよいと考えられる.実際,膝関節を屈曲することにより,腓腹筋に痛みを感じること無く足関節背屈が可能となり,結果として得られるストレッチの効果(スティフネスの減少)は大きくなる結果が得られた.よって,腓腹筋の柔軟性を向上させる必要が有る場合には,膝関節を伸展し足関節を背屈するストレッチを行い,ヒラメ筋や足関節周りの皮膚や靭帯,関節包の柔軟性を向上させる必要がある場合には,膝関節を十分屈曲する事で腓腹筋へのストレッチ強度を減少させ,より足関節を背屈させるストレッチを行うことが有用であることが示唆された.
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