Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防や治療を目的として開発した糖質調整食品(Inslow)は,これまでに食後高血糖および高インスリン血症の抑制効果を有することを報告した。本研究は,この食品の主成分であるパラチノース:Pおよびオレイン酸:O,対照としてシュクロース:Sおよびリノール酸:Lとを組み合わせた4種類の餌(PO,PL,SO,SL)を調整し,食事中の糖・脂質成分の相互作用が,血糖調節に関わる腸管および膵臓の機能に対する影響について評価を行った。前年度確認された二糖類分解酵素遺伝子および糖輸送担体遺伝子の発現が亢進していたことから,腸管上皮細胞の形態的評価を行ったが,大きな差異は見られなかった。しかしながら,膵臓での変化は劇的に異なり,PLおよびSL群はPOおよびSO群に比して,インスリン陽性細胞の減少,炎症の増強およびβ細胞のアポトーシスを誘導することが明らかになった。また,早期インスリン分泌促進効果が門脈内の糖濃度を感知して分泌することを証明した。さらにオレイン酸群では,リノール酸群に比して,脂肪間質におけるマクロファージの浸潤と脂肪細胞への炎症誘導を示すCrown like structure(CLS)数が有意に低値であった。次に脂肪組織での炎症誘導機構を明らかにするために,精巣上体脂肪組織の脂肪酸組成についてガスクロマトグラフ法にて分析した。オレイン酸群ではオレイン酸の割合が高く,リノール酸およびアラキドン酸の割合が有意に低値を示した。同様に,炎症メディエーター関与遺伝子であるΔ6 desaturaseの発現は,オレイン酸群はリノール酸群に比して有意に低値を示し,5-lipoxygenase(5-LOX)およびcyclooxygenase-2(COX-2)の発現は低値傾向を示した。
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