Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
小笠原父島に一酸化炭素計およびオゾン計を設置し,連続観測を行なった。装置の不具合により欠損データがあるものの,ほぼ同緯度に位置している沖縄での同時期の同様な測定と比較を行なうことができた。汚染大気の大きな発生源地域である大陸沿岸部からの距離に応じて汚染物質の濃度が大きく低下する様子を捉えることを期待していた。予想に反して冬季においてバックグランド大気としての平均的な濃度は沖縄と小笠原で明確な差はみられず,バックグランドとしての大気は比較的同様な濃度レベルにあることが分かった。しかし,イベンド的な汚染大気輸送は沖縄の方が明確に見られ,高濃度で頻度もおおく観測された。同じ汚染大気長距離輸送イベントが沖縄から小笠原に時間をずらして観測されることを期待したが,いつもそのような変動をする結果とはならず,いくつかそのような事例がみられた。揮発性有機化合物の濃度については低気圧通過などの前後で大きな濃度変動が見られたが,清浄な海洋性の大気と汚染物質が輸送されてきている大気との大気の入れ替えがはっきりと測定結果に反映された。全体として見ると沖縄と小笠原で濃度差は予想よりも少なかったが,汚染大気の輸送時では沖縄の方が高濃度になることが多く見られた。また,東京-小笠原間の船舶において測定をした揮発性有機化合物は緯度方向で明確な差が見られ,いずれの物質においても高緯度の方が高濃度となった。北緯32度程度で大気の様子が大きく変わる様子が見られた。
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