Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究は,大気中における反応性ヨウ素化合物の新たな生成初期過程の解明を目的に,時間分解型キャビティーリングダウン分光法(TR-CRDS)を用いて硝酸ラジカル(NO_3ラジカル)と自然起源含ヨワ素化合物であるヨウ化アルキル類の反応の測定を行うものである。NO_3ラジカルは夜間の大気酸化過程において最も重要なラジカルであると考えられているが,ヨウ化アルキル類との反応に関する報告はこれまでにほとんと無い。このよりな,今まで考慮されなかったヨウ素化合物の夜間における酸化反応を調査することによって,大気中のヨウ素循環やエアロゾルの生成過程を解明ずることを目的としている。平成19年度においては,ヨウ化アルキル類のうちヨードメタン(CH_3I).に対してN0_3ラジカルの反応速度定数の温度依存性の測定を行った。その結果により反応速度定数のアレニウスの式を決定することができた。このことにより,この反応を全球大気モデル計算に用いることが可能となった。また分子軌道計算による反応機構の推定をこの反応に対して行うことにより,実験において決定されたアレニウスの式や反応機構が妥当であるかの検証をおこなった。結果として,分子軌道計算の結果は,実験結果を非常によく再現するものであり,得られた実験結果の妥当性を強く示した。また分子軌道計算によって得られた結果は,他のヨウ化アルキル類とNO_3ラジカルの反応の類推を行うために重要なデータとなった。また海洋中から放出されるヨウ化アルキル化合物として2番目に多いヨードエタン(C_2H_5I)とN0_3ラジカルルの反応速度の測定も行い。その結果より,C_2H_5Iに関してもCH_3I同様に,夜間の反応で生じる反応性ヨウ素化合物の量が,昼間に生成するものに匹敵することを示した。
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