Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
1.研究の目的 これまでの放射線による突然亦異誘発機構は,放射によるDNA損傷が,一定の確率で修復間違いや複製間違いを引き起こし,これが突然変異として固定されるというものだった。しかしながら,従来考えられていた放射線影響のみでは説明できない現象も存在する。我々はマウスを使った実験で放射線が直接的に突然変異を誘発する以外にゲノム不安定性を誘導し,これが2次的に突然変異を誘発する可能性をメラニン合成系に関与するpink-eyed dilution (Pun)遺伝子を指標に検証した。これまでに,照射を受けた雄マウスから生まれた次世代マウスでは雄由来の遺伝子座のみならず,照射を受けていない雌由来の遺伝子座においても突然変異頻度が上昇することを報告している。本年度では精子照射の時期を変えることで遺伝的不安定性が誘導される条件を検討した。さらに,次次世代マウス(F2)における突然頻度を観察することで遺伝的不安定性の世代間の伝搬についての検討も行った。 2.研究経過及び成果 照射された雄マウスを精子形成の各段階,すなわち精子期,精細胞期および精原細胞期の各段階で交配させた。そこから生じた子マウスについてPun遺伝子を指標とした復帰突然変異頻度を調べると精子期照射では有意に上昇していたが,それ以外の精細胞,精原細胞期では上昇していなかった また,精子。照射によって得られた,雄マウスを更に交配させることで得られた孫世代のマウスで訓辞突然変異頻度上昇は観察されなかった。以上の結果から,次世代マウスに見られる遺伝的不安定性は精子期照射のみで観察される特殊な現象であることが示唆された。
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