Project/Area Number |
18710089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
眞山 博幸 Hokkaido University, 電子科学研究所, 助教 (70360948)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | フラクタル / 自己相似性 / 多孔質物質 / Menger sponge |
Research Abstract |
これまで得られてきた研究成果から、いくつかの例を以下に列挙する。 1.フラクタル立体の次元性 昨年度までの研究では、異なる作製条件で得た試料に対し、断面SEM画像から断面フラクタル次元Dcs、Dcsが成り立つスケール領域、多孔質体の空隙率という3つのパラメータを評価、試料の多孔質体の立体としてのフラクタル次元Dが2.5-2.7次元であり、フラクタル立体の数学モデルであるMenger spongeに近い幾何学性を有していること間接的に議論してきた。しかしながら、Dは小角中性子散乱実験等で直接評価することができることが知られている。今年度では、小角中性子散乱、超小角中性子散乱、小角X線散乱の3つの実験を組み合わせ、数Å〜100μmという極めて広いスケール領域で次元性を評価した。得られた実験結果を詳細に解析した結果、少なくとも100nm〜lμmの領域ではこれまで推定してきた2.5〜2.7に極めて近い結果が得られた。 2.細孔分布・比表面積の測定 ナノ多孔質体の機能性の上で重要なパラメータである細孔容積分布と比表面積を、水銀圧入法、1HNMR、窒素ガス吸着法(BET法)という異なる3つの測定法を組み合わせて測定した。これらを組み合わせることで、1nm〜100μmという広い領域で評価することができる。その結果、次の知見が得られた。(1)細孔容積分布から、細孔のつながりが100nm〜10μmではMenger spongeで記述されること、10nm〜100μmでは2.9次元の立体であること、l-10nmでは4nmの細孔でスポンジ構造となっている。(2)比表面積は500m^2/g程度であり、通常のシリカゲル程度である。(3)比表面積は4nmの細孔に起因する。(4)理想的なフラクタル構造では比表面積は10^5m^2/gであり、試料の比表面積が理論値よりも小さいのは100nm以下の領域でMenger spongeとは異なる構造になっているためであり、理論値に近づけるためには同領域での細孔のデザインが重要である。
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