Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
1.ホイスラ合金を用いた高TMR素子の作製 これまでは,アモルファス構造のA1-Oを絶縁層として用いていたが,今年度は,結晶質のMgOを絶縁層に用いたCo_2MnSi/MgO/CoFe-TMR素子において,前年度を上回る,217%(室温),753%(低温)のTMR比を観測することに成功した.観測したTMR比はホイスラー合金を電極に用いたTMR素子において世界最高の値である.また,コンダクタンス特性の測定結果から,コヒーレントトンネリングが巨大TMR比の起源であることが示唆された。 2.ハーフメタル・スピントランジスタへの微細加工 作製したCo_2MnSi/MgO/Co_2MnSiTMR素子を前年度に確立した微細加工プロセスを用いてトランジスタ形状に微細加工した.加工後のTMR比は低温で270%であり,加工によるダメージがほとんどないことが分かった.さらに,ゲート電圧を印加して,ソース-ドレイン間の電流-電圧特性を測定した結果,ハーフメタルギャップエネルギー(〜150mV)以上のゲート電圧を加えると,ソース・ドレイン電流が大きく変化する現象が観測された.この動作は,考案当初に期待していたものと同様であり,ハーフメタルを用いたスピントランジスタ動作を初めて実証したものである. 3.ハーフメタル・スピントランジスタの高性能化のためのホイスラー合金材料探索 これまでに開発を行なってきたCo_2MnSi組成に加えて,今年度は,Co_2FeSi,Co_2CrSiの開発を行なった.その結果,前年度まで開発を進めていたCo_2MnSiを用いたTMR素子が最も高性能であることを明らかにした.
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