Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
本研究は,顧客(消費者)の意思決定を考慮に入れた供給者側における競合的在庫問題を数理的にモデル化し,各供給者の利益最大化の基準の下で最適な振る舞いがどのような戦略になるのかを追求することを目的としている。今年度の研究は,平成18年度に行なった供給者の立場とは逆に,供給者の販売量を考慮した上での顧客の購買行動についての問題を,非O和ゲームとして定式化し,顧客側に関する戦略を平衡戦略により明確にした。既存研究では,消費者側の行動がすでに確率分布で与えられた状況の下での競合的在庫問題として数理的にモデル化し,最適発注量に関する平衡点を導出されている点を,本研究では,供給者および消費者を意思決定者として捉えた意思決定を伴う数理モデルとして定式化した。消費者側には,製品の購入費用,購入先までの移動に伴う移動費用,購入できなかった場合の機会損失に関する費用,ロイヤリティに関する費用の和を最小にするという基準を採用し,一方の供給者側には,発注,在庫保持,不足,販売を考慮した利益の最大化を基準に採用することにより,より現実的な形でモデル化している。 このようなモデルでは様々なバリエーションが考えられるが,今年度は昨年度提案したモデルの消費者の数に関する一般化として,2つの供給者と一様に分布した出発時刻をもつ複数の消費者に対する競合的在庫問題を提案し,その問題に対する数理的モデルの構築化,供給者の利益最大化の下での安定した平衡戦略の導出,およびそれらについての考察を行なった。本研究で得られた結果により,現実社会における消費者行動の妥当性が確証された。供給者および消費者の数がともに一般的な場合についても考察を行なってきたが,抽象的なモデル化は可能であるものの具体的な平衡点の導出には至っていない。
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