Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究では,土砂災害のソフト的な対策支援を目的とした地理情報システム(GIS)の構築を行った.具体的には,2004年福井豪雨災害を事例として,近隣の丹南地区(鯖江市,越前市の山間部)において発生した斜面崩壊の特性を分析した.また,その分析結果に基づく危険度評価を用いて,土砂災害対策支援GISを構築した.本課題では,上述のGISを構築するために,5つのステップに区切って研究を実施した.なお,平成19年度は,ステップ1から3の総括,ステップ4および5を実施した. ステップ1では,2004年福井豪雨を誘因として広域に発生した斜面崩壊についてALOS AVNIR-2の衛星画像を用いて,位置・規模・形態・形状を検出した.空間分解能の不足を補うために,平成19年度は,SPOT5衛星のパンシャープン画像を作成し,この画像データを用いて斜面崩壊の検出を行った.その結果,高精度で崩壊箇所の位置・規模・形態・形状を捉えることができた.また,斜面崩壊箇所の検出に関するトレーニングデータを取得するために,現地調査を実施した.ステップ2では,土砂災害の特性を分析するための各種の地理情報(地形,地質,植生等)を準備するために,ディジタイズ等の作業を行った.ステップ3では,ステップ1において検出した斜面崩壊について,ステップ2で構築した各種の地理情報を用いて斜面崩壊の地形・地質・植生の特性を分析した.併せて,過去の降雨データを用いた降雨特性の分析も実施した.ステップ4では,ステップ3の特性分析結果を基に,斜面ユニット(単一斜面)ごとに数量化理論II類を用いて精度の高い斜面崩壊の危険度評価を行った.ステップ5では,以上の結果を統合し,土砂災害対策支援GISを構築した.災害直前,災害直後,平常時などにおいて,場面(時間)ごとの対策支援が可能となるシステムが構築できた.
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