Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
本研究では,災害が原因となって緑被・根系が本来有すると考えられる地盤災害の抑制効果を,時系列で捉え,その変化(不朽/再生の時系列変化)に対応可能な斜面災害危険度の定量的評価システムの構築を目的としている.このために,人工衛星リモートセンシングデータを利用した方法の確立を検討し,研究期間内で以下の成果を得た. (1)「根系の空間分布とせん断抵抗力との関係把握」 根系をモデル化した地盤供試体を作成し,一面せん断試験によって根系の空間分布と土質定数との関係を調べた.この結果,砂質土を対象とした場合,内部摩擦角および粘着力の双方において根系密度との間に相関を見出した. (2)「根系の空間分布と透水係数との関係把握」 根系をモデル化した地盤供試体を作成し,根系の空間分布と透水係数との関係を調べた.また,現有の実験斜面においても納入設備を用いて同様の実験を行った.屋内試験ならびに野外試験においては特徴的な差異を確認できなかった.この点については継続的に観測を行い,最終的な結論を出す予定である. (3)「緑被の状態(樹種,樹密度,樹高)とNDVIとの関係把握」 樹冠と根系との関係を求めるために,岐阜林野火災によって樹冠の損失があった岐阜県岐阜市権現山および福井豪雨で斜面崩壊があった河和田地区を調査対象地域とし,種々の樹冠-根系関係を調べた.樹種の同定には,専門家の協力を得た.結果,樹種に大きく依存することなく,NDVIとLAIとの問に強い指数関係を見出した. (4)「緑被および根系を推定するアルゴリズムの提案」 衛星データや航空写真から得ることが可能な,樹種,樹冠,樹密度,樹高データに,土層(表層地盤)を入力情報として根系を推定するアルゴリズムを検討した.このアルゴリズムに従って実画像への適用を行った.ただし,地表の緑被覆が一定となってからはNDVIに有意な差が確認できないことが判明し,この点の改良が必要であることが確認された.
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