Project/Area Number |
18710190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
根木 滋 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 薬学部, 助手 (50378866)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 亜鉛フィンガー / 金属フィンガー / ペプチドデザイン / DNA認識 / 転写因子 / Sp1亜鉛フィンガー / 配位結合 / 人工制限酵素 / GAGAファクター / 人工ペプチド |
Research Abstract |
本研究では、転写因子に含まれるDNA結合ドメインの1つである亜鉛フィンガータンパク質を用い、それらを人工的にデザインすることによって、新しい機能を付加しようとする検討を実施した。亜鉛フィンガータンパク質の1つのドメインは、わずか30個程度のアミノ酸残基から形成されているのだが、その中に「DNA結合能」および「金属イオン結合能」の2つの精密な分子認識機能を有している非常にユニークなモチーフである。ここでは、亜鉛イオンの配位に関与するアミノ酸について注目し、それらを化学合成および遺伝子工学的手法により変異させ、作成した各変異体の亜鉛イオンに対する結合能および新しい触媒機能に関する検討を行った。具体的には、ヒトの転写因子の1つであるSplに含まれる亜鉛フィンガータンパク質をターゲットタンパク質として用いた。Spl亜鉛フィンガータンパク質は3つのフィンガードメインから含まれており、すべてのドメインの亜鉛イオン配位部位はCys2His2の4つのアミノ酸から構成されている。そこでそれぞれのフィンガーのCysをHisに置換したHis4型人工Sp1亜鉛フィンガータンパク質を作成した。その結果、フィンガー1および2のHis4方亜鉛フィンガーでは、亜鉛イオンの存在下、天然と類似の二次構造を形成することがCDスペクトルより明らかとなった。一方、フィンガー3の場合は、亜鉛イオン存在条件でも、二次構造を形成しなかった。また、DNAのリン酸エステル結合のモデル化合物であるBNPPを用いて加水分解能について検討を行ったところ、いずれの変異体においてもエステル結合を加水分解することが明らかとなった。特に、フィンガー1のHis4変異体は他の変異体に比べて約10倍近い切断活性を持っていることが明らかとなった。さらに、フィンガー2のHis4においては、一般的には切断が困難と言われているペプチド結合を切断できることが明らかとなっており、今後、人口ペプチダーゼの研究に展開できると考えられる。
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