ノボトニー法による高次元系の転送行列の構成と応用-DMRG的な利点を高次元系へ-
Project/Area Number |
18710231
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 由弘 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (60294401)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Keywords | イジング模型 / スケーリング / 臨界現象 / ランチョヌ法 / 対角化 / 相転移 / 高次元 / ノボトニー法 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の準備的研究を発展させて、現実的かつ懸案となっている難問に取り組む.そのために、本年度は、いわゆる量子系(横磁場イジング模型)に適用の幅を拡張する。その拡張を、以下の項目1で行った。 1.5次元イジング模型の臨界現象。高次元の臨界現象は、いわゆる平均場理論で記述される。しかしながら、その有限サイズ効果、すなわち、有限サイズスケーリングは、自明ではない。これは、いわゆる、ハイパースケーリング仮説が、破綻しているからである。もはや、有限サイズスケーリングは、考えている系の形状、トポロジー、にすら依存すると考えられている。本研究では、シリンダー型のトポロジーを考察する。これは、通常考察の対象となるトーラス型と異なる。よって、新規な事象を調べることができる。私は、臨界指数、yt=4/3,yh=4を示唆する結果を得た。 2.異方的臨界現象。(d,m)=(3,2)型1リフシッツ点の多重臨界現象。三次元d=3で、新奇な臨界現象を実現する事は極めて困難なこととされてきた。実際、カイラル相転移やポッツ模型の相転移は、弱い一次相転移であると判明してきている。よって、リフシッツ点は、極めて有望な候補である。しかしながら、強いフラストレーションと異方性と多重臨界性により、その解析が困難であった。本研究では、対角化法によりフラストレーションの困難を克服した。そして、虚時間方向を異方性の軸に設走することで異方性を克服した。さらに、エネルギーギャップが直接求まることから、相転移のデーター整理が、大幅に、簡略化する。結果として、異方的相関長臨界指数をそれぞれ0.45(10)と1.04(27)と見積もった。クロスオーバー臨界指数を0.7(2)を見積もった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)