副詞と動詞の相互作用の体系化と日本語教育文法のための修飾関係データベースの構築
Project/Area Number |
18720117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese linguistics
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
井本 亮 Fukushima University, 経済経営学類, 准教授 (20361280)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 副詞的修飾関係 / 副詞 / 動詞 / 結果構文 / 語彙意味論 / 情態副詞 / 日本語文法 / 副詞的修飾 / 概念意味論 / 状態変化動詞 / 進展性 / gradable property |
Research Abstract |
当初の計画通り、実証的研究および理論的基礎研究を行い、以下の研究成果を発表した。 (1)「[向き]を表す副詞的成分をめぐって-「机に茶碗をさかさまに置いた」の成立条件-」『日本語文法』7巻2号、日本語文法学会、2007年9月 (2)「情態修飾関係の分類について」現代日本語文法研究会第5回大会、八洲学園大学、2007年10月研究成果(1)によって、位置変化動詞文において結果二次述部と結果副詞が共起する現象について、その成立条件を明らかにすることができた。すなわち、[向き]を表す副詞的成分は位置変化動詞句が表す意味カテゴリー[空間]に含意される意味カテゴリー[空間的サマ]を修飾限定することができる。このような空間的変化事象における意味カテゴリーの二重性を利用することでこのような副詞的修飾関係が成立しているのである。このことは副詞的修飾関係の分析ではこのような意味カテゴリーの含意・意味的整合性が重要な論点になるということ、そして副詞的修飾現象の精確な分析のためには意味カテゴリーの詳細な記述と意味的整合性を視座にした現象記述と体系化が必要であることを示している。研究成果(2)はこのような方法論からの理論的帰結として、意味カテゴリーの交差分類による情態修飾関係の分類を提案したものである。これは従来の情態副詞の分類の問題点に解決を与え、さらに広範な構文現象を捉えることを可能にする分類法である。その他の研究活動として、神田外語大学大学院助教授岩本遠億氏との共同研究を継続的に行い、「Vすぎる」構文における副詞的修飾と意味作用の理論的研究を進めた。この研究成果については共著書『事象アスペクト論』として現在公刊準備中(2008年10月刊行予定)である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)