Project/Area Number |
18720177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐古 愛己 Ritsumeikan University, 文学部, 准教授 (70425023)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 日本史 / 平安貴族 / 古記録 / 京都 / GIS |
Research Abstract |
本研究の目的は、古記録にみえる貴族の行動様式(移動経路や目的)を抽出、移動主体や行動・移動に関する様々な属性を分類表示することが可能なデータベースを作成し、GISの技術を活用して軌跡を視覚表示する点にある。さらに、行動をパターン化することにより、階層別の行動様式や行動を規制する諸要素を明らかにし、貴族社会の秩序・構造について考察することを目標としている。 本年度は、『兵範記』など院政期の古記録から、記主、天皇家、摂関家関係者を中心とする人々の移動データを抽出して作成した「行動記録データベース」をもとに、地理学専攻の協力を得て、GISの技術を活用して行動軌跡を視覚表示する地図と経路の使用頻度を自動計算するソフトを試作した。この作業では、大量の移動軌跡のビジュアル化や多様な景観復元を可能にする技術開発が見込まれ、人々の行動パターンとその経年変化あるいは普遍性などの状況を視覚的・具体的に理解することが可能になると予想される。しかし、移動軌跡の表示方法や大量な情報の処理技術、行動様式の数値化の方途、基盤地図の整備など残された課題も多い。今後、引き続き調査・研究をすすめ、これらの問題の解決につとめ、機会が有ればシステムの公開の方途を考えたい。 また、本研究において主な分析対象とした『兵範記』の史料学的調査も、本研究期間に併せて行うことができた。その成果の一部を、平成20年度中に図書の分担執筆において公表する予定である(元木泰雄・松薗斉編『日記で読む日本中世史』(仮)第I部「兵範記(ひょうはんき)平信範」佐古分担執筆、ミネルバ書房、平成20年12月刊行予定)。
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