Project/Area Number |
18720178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
引野 亨輔 Fukuyama University, 人間文化学部, 講師 (90389065)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 日本文化史 / 藩世界 / 藩主信仰 / 民衆意識 / 僧侶と神職 |
Research Abstract |
本研究は、江戸時代の藩領域における「藩主信仰」の実態解明を目的としたものである。 江戸時代の民衆が藩主の存在に神性を見出し、崇拝・信仰の対象とする事例は、幾つかの藩領域で確認されている。歴代藩主を祭神とする神社で、いわゆる殿様祭りが挙行されることもある。もっともこうした「藩主信仰」は、近世民衆の卑屈な精神構造を象徴するものと解釈されたり、権力サイドの信仰強制と捉えられたりしたため、これまであまり積極的な評価を受けてこなかった。 しかし本研究では、在地史料を丹念に掘り起こすことで、「藩主信仰」の新たな側面を浮かび上がらせた。例えば、広島藩主浅野氏の息災を目的とする国恩祭は、文化年間(1804〜1818)に地方有力神職の主導によって始まったもので、そこに藩権力による強制は見出せない。むしろ神職たちは、自ら率先して「藩主信仰」の提唱者となり、僧侶に負けない宗教者としての地位向上を目指した訳である。また、福山藩でも江戸時代後期には地方知識人が盛んに地誌を作成し、その中でかつての福山藩主水野氏の善政をたたえている。前藩主水野氏に対する民衆の崇拝心はこれに伴って高まりをみせ、初代藩主水野勝成の生誕を祝う殿様祭りも毎年挙行されることとなった。ただし、領民の水野氏賛美も単純な権力崇拝ではなく、現藩主阿部氏による苛政を逆説的に批判する主張性を持っていた。 以上のように本研究では、芸備地域を中心に精力的な在地史料掘り起こしを行い、また他藩の事例とも比較させながら、近世的な宗教風土の中で藩主が神のように信仰される意義を明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)