Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
ごみ処分場立地問題を扱う際,非分割財を含む公平配分問題として扱うモデリングがある.昨年度の研究では,この状況で上手く働くfair pricing ruleという方法について考察したが,本年度は理論の拡充を行うべく,可分財として扱う状況で上手く働く方法について主に検討した.この状況では,どの地域がどれだけの量を処理するかを決める事が課題となり,抽象的には単峰性選好下での配分問題として扱う事ができる.つまり,各地域は,ある水準まではお金をもらってごみの処分を受け入れるが,それ以上は望まない.Bochet-Sakai(2007,mimeo)では,多くの方法において,その水準を表明するゲームでは,一様配分(uniform allocation)という配分が達成される事を示した.この結果は,fair pricing ruleの研究で成り立つ類似した結果に対応している.Sakai-Wakayama(2007,mimeo)では,一様配分の優越性について論じた. 本年度に掲載された論文は以下の内容を扱っている.Fujinaka-Sakai(2007,JPET;2007,mimeo)は全ての地域が同等な場合のfair pricing ruleについて研究し,Sakai(2007,JME)はその理論的基礎を与えている.坂井(2008,三田学会雑誌)はfair pricing ruleの解説を行っている.本年度はこれまでの理論的成果を実験することも企画されていたが,上記のように,理論的発展を行う余地が広くあるため,理論を重視した.実験の準備は現在,藤中裕二氏と共同で進行中である.本研究の一部は,書籍「メカニズムデザイン」(共著,20年6月公刊予定,ミネルヴァ書房)に所収される.ここで述べた未公刊論文はいずれも坂井のHPで公開している.
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