デヴィッド・ヒュームにおける文明社会の盛衰認識の研究
Project/Area Number |
18730140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic doctrine/Economic thought
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
壽里 竜 Kansai University, 経済学部, 准教授 (20368195)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 啓蒙思想 / ヒューム / スコットランド啓蒙 / 18世紀 / 文明社会 |
Research Abstract |
本年度は第18回ヒューム研究学会において「マナーズの社会哲学:仕会契約説批判と古来の国制批判」と題して研究報告を行った。本報告は、これまで別個に論じられてきたヒュームの社会契約説批判と、古来の国制批判との間に「人々の生活様式と意見の変化」というヒューム独自の視点があることを指摘したものである。両批判はこれまで別個のものとして取り扱われることが多く、その背後に「生活様式・意見」という統一的な視点があることは十分に認識されてこなかった。ヒュームにとって生活様式や意見とは、統治の正統性を支える重要なファクターであり、それは過去の歴史や抽象的理論よりも優先するものであることを本報告では論じた。現在、本報告をベースとした論文を国際学会誌にすでに投稿し、レフェリーからのコメントを受け、再投稿中である。また2009年8月に開催される国際ヒューム学会での報告原稿として「ヒュームの経済思想における情念の哲学」を作成し、審査の結果、報告が認められることとなった。内容は、ヒュームの経済思想には人間の主観的感情からなされる行動を中心に据える思考法があり、ヒュームの哲学上の処女作である『人間本性論』から経済学上の主著『政治論集』にいたるまで、この視点が一貫していることを示したものである。なお「スコットランド啓蒙における騎士道概念:ヒュームの場合」が学術雑誌Hume Studiesに掲載されることが決まったことも付記しておく(ただし、最終稿を提出した段階であり、「印刷中」の段階とは言えないので、11.研究発表には記載していない)。本論文は、ヒュームを中心としたスコットランド啓蒙の思想家たちが、騎士道の伝統の中に、洗練の文化の歴史的起源を見出していたことを論じたものである。これは、上に述べた「生活様式の変化」という視点の意義を間接的に示すものでもある。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)