東アジアにおける経済連関の深化と所得分配・経済厚生に関する理論・実証研究
Project/Area Number |
18730180
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied economics
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
西山 博幸 University of Hyogo, 経済学部, 准教授 (00309345)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 経済統合 / 所得格差 / 経済厚生 / 海外直接投資(FDI) / フラグメンテーション / 賃金 / 開放マクロ経済 / 海外直接投資 |
Research Abstract |
本年度は,東アジア地域経済統合の実態をふまえ,その進展によるマクロ経済、厚生への影響を理論および数値シミュレーション分析により検証した。まず,企業の海外進出による経済・厚生効果を分析した西山(2007)(Univ.of Hyogo Discussion Paper No.7)を加筆・修正し,西山(2008)(多国籍企業研究創刊号(掲載確定))にまとめた。分析の結果,中国のように貿易やFDIによって他国経済と緊密な相互連関を有している経済では,企業進出のリスク低下が投資受入国の所得・厚生水準を引き上げる一方で,日本のような投資送出国の所得・厚生水準を低下させ,国家間での所得・厚生格差を拡大させることが明らかにされた。また,各国の厚生効果は相殺され,地域全体の厚生は改善されない可能性が存在する点も指摘される。次に,上記分析では考慮されなかった東アジアにおける特徴的な国際分業体制-国際フラグメンテーション-を導入したモデルをNishiyama(2007)(Univ.of Hyogo DP No.13:修正版投稿中)で提示,理論および数値シミュレーション分析により,国際フラグメンテーションを促進させるサービスリンクコストの低下が地域厚生を引き上げることを示した。また,Nishiyama and Yamaguchi(2007)(Univ.of HyogoDP No. 14:修正版投稿中)では,企業の海外進出による賃金への影響を分析した。そして,FDIの進展が本国(投資国)の賃金水準に及ぼす影響は,企業のアウトサイドオプションの状態に依存して変化することが,理論および数値シミュレーション分析により明らかにされた。以上の諸研究の重要性は,今後もさらなる進展が予想される東アジア地域の経済統合がもたらす恩恵と弊害とを予測する一つの材料となりうる点にあると考える。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)