Budget Amount *help |
¥2,350,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2008: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
1950年代,ドイツはOEEC地域に対する貿易黒字を基盤として,貿易・為替の自由化を積極的に進めていった。貿易・為替自由化の進展状況は,国際通貨基金(IMF)との年次コンサルテーション協議において検討された。 このドイツの動きは国際通貨基金(以下,IMFと省略)と同一の方向性を持ち,むしろ,ドイツはIMF以上に積極的であった。ドイツはOEEC地域に対する貿易自由化に続いて,ドル地域に対する自由化を急激に進めていき,双務協定を撤廃した。この過程において,ドイツの国際多角的決済への復帰が実現した。その結果,1950年代後半期にかけてIMFが期待するドイツ像が実現した。56年にはOEEC地域・ドル地域に対する貿易自由化と双務協定の撤廃がほぼ完了し,57年以降は公的資本輸出が拡大した。資本輸出の拡大は,ドイツの金・ドル準備が急速に増加し,国際的負担の義務を求められたことによる。 IMFによるドイツへの勧告は,100%の貿易・為替自由化であり,IMFは,ドイツに対し輸入増加を通じて世界貿易の拡大に,資本輸出によって世界経済のバランスのとれた成長に貢献することを期待した。ドイツの金・ドル準備の累積によりドルの流動化が可能になり,ドイツは国際決済においてドルを供給し,循環させる役割を担った。このような背景により,ドイツ・マルクの国際的地位は飛躍的に高まった。 ドイツは,IMF体制における重要な信用供与国として活動し,ドイツの黒字部分は,国際的な流動性供給の役割を果たした。この供給は主として国際復興開発銀行(IBRD)を経由して,マルクを活用することにより実現した。60年代を通じて国際金融機関を経由した公的資金による資本輸出がさらに促進された。
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