Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
個体特性としてのオープンフィールド(以下OF)高活動は,その個体の一般活動性の高さ,探索傾向の強さ,実験場面からの逃避傾向の強さなどを反映する可能性が示唆されている。本研究では,OF高活動を示すミュータントマウスに対して複数の行動テストを実施し,その結果をもとにOF高活動の背後にある心的過程(活動性,探索性,情動性など)についての考察を行うことを目的とした。本年度は,OF高活動と探索性との関連を検討するために,理化学研究所動物ゲノム変異開発研究チームにおいて開発された2系統のOF高活動マウス(M-174,M-73)を用いて,物体探索テストを実施した。物体探索テストでは,OFにマウスを充分に馴化させたあと,フィールド内に新奇な物体(ビー玉入りの筒)を置き,新奇物体に接近して嗅覚的に探索した総時間を10分間計測した。その結果,M-174では高活動個体で物体探索時間が有意に短いこと,M-73では高活動個体と正常個体で物体探索時間に有意な差は見られないことが明らかとなった。前年度に実施したホームケージ活動性テスト,Light-darkテストの結果と総合すると,M-174およびM-73のOF活動性の高さは一般活動性の高さを判定したものであり,探索傾向や逃避傾向の高さを反映したものではないと結論づけることができる。一方,OF高活動であるにもかかわらず,ホームケージ高活動を示さず,Light-darkテストにおいても異常を示さないM-914のような系統も存在していることから(前年度報告),OF活動性が一般活動性や逃避傾向以外の要素を含むことは明らかである。今回,繁殖上の問題で,M-914の物体探索テストに関して充分なデータを得ることができなかったが,OF高活動の背後に存在する第三の要因を明らかにするために, M-914の詳細解析が望まれる。
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