Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
平成19年度は、主に脳の複数領域から記録された神経活動のデータを比較することによって,神経活動による眼球運動方向の予測が脳の領域毎にどのように異なるかを検討した。具体的には,眼球運動が必要な行動課題を行っているサルの視床背内側核から記録された複数の神経活動から算出したポピュレーションベクトルの時間変化を,同様の課題を行っているサルの前頭連合野背外側部から記録された複数の神経活動から算出したポピュレーションベクトルの時間変化と比較した。両領域とも,視覚刺激が提示された方向と眼球運動の方向が同じ課題条件では,視覚刺激の提示と眼球運動の開始までの間の待ち時間(遅延期間)にポピュレーションベクトルの方向は視覚刺激および眼球運動の方向を表現し続け,視覚刺激と眼球運動の方向が異なる課題条件では,遅延期間に視覚刺激の方向から眼球運動の方向へとポピュレーションベクトルの方向が変化した。しかし,ポピュレーションベクトル方向が変化し始めるタイミングは前頭連合野背外側部に比べて,視床背内側核の方が早いことが明らかになった。以上の結果から,前頭連合野背外側部よりも視床背内側核の方が,視覚情報から運動情報への変換が早く始まっているとことが示唆される。また視床背内側核,前頭連合野背外側部ともに,ポピュレーションベクトルの時間変化を調べることにより,実際に行う眼球運動の方向を予測できるが,視床背内側核の方がより早い段階で予測できる可能性が示された。
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