Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
今年度は,市民教育における保護者と地域住民の連携の実態を日米比較しその特質を明らかにした。わが国の事例としては,コミュニティ・スクール推進事業委嘱校,綾町立綾小学校を訪問し関係者から聞き取り調査を行った。同校では,学校運営協議会のもとに,「生産・体験コミュニティ」,「福祉交流コミュニティ」など6つのコミュニティを設定しそこに地元の様々な団体が入り,児童の市民性の育成に寄与していた。例えば,「生産・体験コミュニティ」では,JAの婦人部や青年部が児童の農業体験を支援し,自然の大切さや作物生産の喜びを実感させた。以上,同校では学校運営協議会のもとに「コミュニティ」が設定され,保護者や地域住民との連携を促し,市民性の育成に寄与していた。一方,米国では,カリフォルニア州のCPCE(California Project for Character Education)の活動に焦点を当てた。CPCEは,「児童が良き市民性とより高い学力達成を獲得するのを支援する」ことを目的に掲げた人格教育の協議会である。この団体の「州広域諮問委員会」には,サクラメントカウンティ教育局,カリフォルニア州教育局,カリフォルニア教員組合,司法関係者やビジネス界等の代表者が出席し,CPCEの基本方針を決定している。その方針にもとづいて,NPO法人である,CYC(Center for Youth Citizenship)が市民性の育成に向けて学校の支援を行っていた。以上,米国では,CPCEが市民教育のための保護者や地域住民との連携の要となっていた。このように,保護者や地域住民と連携した市民教育を促す上で重要なのは,綾小学校の「コミュニティ」やカリフォルニア州のCPCEのような,地域の学習資源や諸団体が参加しやすい組織をどのように設置し,学校や教育行政機関がその組織といかに円滑な協力関係を築くかであることが明らかになった。
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