Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究の目的は、格子量子色力学に基づく数値シミュレーションにより、有限温度相転移点近傍におけるクォーク・グルーオン・プラズマの性質を探る事である。研究目的達成のため、本年度は、まず相転移温度の計算を行った。非等方格子を用いた格子量子色力学シミュレーションの結果、相転移温度160MeVを得た。非等方格子により有限格子間隔に起因する系統誤差を効果的に削減できた。また、シミュレーションによって得られたデータを用いて、ハドロンの波動関数の測定も実施した。波動関数は、ハドロンの束縛具合を示す指標となる物理量である。ゼロ温度での波動関数と有限温度の波動関数を比較する事で、相転移近傍でもハドロンが構成されているか、それともクォーク・グルーオン状態となっているか判定できる。我々の計算では、ゼロ温度と有限温度での波動関数に系統的な違いは見られなかった。つまり、少なくとも相転移温度付近では、ハドロンは依然クォークの束縛状態として存在している事が示唆される。波動関数に加え、スペクトラムの計算を実行した。相転移温度付近では、ハドロンスペクトルに関する明確な温度依存性は確認されなかった。上記計算に加え、精度向上のため、ロー中間子の崩壊及び量子電磁力学効果について研究した。ロー中間子質量は、格子間隔を決定するために使用される重要な物理量である。しかし、これまで格子上でロー中間子の崩壊を無視した解析しか行われてこなかった。我々は、Luscher公式を用いることにより格子上で崩壊幅の計算が可能である事を示し、より正確な質量計算に成功した。また、量子色力学に加え、量子電磁力学を含めたシミュレーションを実行し、より現実的な計算結果を得た。
All 2008 2007
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)
The World Scientific SCGT06
Pages: 206-206
Phys. Rev. D 76
Pages: 94506-94506
Nagoya SQGP07
Pages: 89-89
PoS LAT2007
Pages: 109-109
Pages: 138-138
Pages: 212-212