ワイドバンドギャップ半導体に特徴的な状態の研究とそれを介した光緩和機構の解明
Project/Area Number |
18740175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水落 憲和 University of Tsukuba, 大学院・図書館情報メディア研究科, 講師 (00323311)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ワイドバンドギャップ / 緩和 / 電子スピン / 核スピン / ダイヤモンド / 量子情報 / エンタングルメント / 短波長発光素子 / 光物性 / 格子欠陥 / 半導体物性 |
Research Abstract |
ワイドギャップ半導体は、短波長発光素子材料として注目されている。その実現には発光を失活させる緩和過程・機構の理解と制御が重要である。また、ワイドギャップ半導体であるダイヤモンド中の窒素一空孔複合体(NV中心)は、単一光子発生源及びスピンを用いた量子情報処理実現の観点から注目される。ここではワイドバンドギャップに特徴的な状態間の選択的な輻射・無輻射失活が、純粋状態の生成(初期化)において重要な役割をし、その理解と制御は非常に重要である。 産業技術総合研究所において合成したダイヤモンドを電子スピン共鳴法(ESR)とカソードルミネッセンス(CL)法で調べ、これまで我々が観測してきた水素関連欠陥濃度と自由励起子発光強度(235nm)に相関関係があることを明らかにした。これは水素関連欠陥が再結合中心であることを示していると考えられ、我々は発光強度の内部量子効率を定量的に解析することにより、発光強度の水素関連欠陥濃度依存性を矛盾無く説明できることを示した。また、マイクロ波プラズマCVD法において水素の同位体である重水素を用いることにより、エッチング効果の増進によるダイヤモンドの高品質化を見出した。ここでも水素関連欠陥濃度と自由励起子発光強度(23nm)の相関関係を観測した。 さちに、シュトゥットガルト大学にあるパルス磁気共鳴を組み合わせた共焦点レーザー顕微鏡において、電子スピンが2つの^<13>Cの核スピンと相互作用した単一NV中心の系において、核スピン2つを用いた2量子ビットによりベル状態、電子スピンと核スピン2つを用いた3量子ビットによりGHZ状態、W状態と呼ばれるエンタングル状態の生成に成功した。これらは固体では初めてで、室温で行われた点は特筆すべき点である。ここではワイドバンドギャップに特徴的な状態間の選択的な輻射・無輻射失活による初期化(純粋状態の生成)を利用した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)