Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
昨年度までに,一次元π共役分子が単層カーボンナノチューブに内包可能であることを分光測定によって,明らかにしてきた。分子が内包されていることを直接的に観察する為には透過型電子顕微鏡を用いる必要がある。しかしながら,低分子は電子線照射によってダメージを受け不純物との区別が判別しづらい為,内包されたπ共役分子の構造を観察することには成功していなかった。よって,今年度はC_<60>フラーレンにレチニル基を導入したレチナールC_<60>分子を作製し,単層カーボンナノチューブ(SWCNT)に内包させた。C_<60>分子の構造は明確に確認することが出来る為,マーカーとして働くことが期待され,レチナール基(一次元π共役系)の構造を特定することが予想された。ラマン分光測定によってSWCNTのradial breathing modeの変化を確認し,産総研ナノカーボンセンター(現,チューブ応用研究センター)の末永・劉博士に測定を依頼した。結果として,内包されたπ共役分子の動的構造を明らかにし,世界で初めてシス・トランス異性化の変化の様子を実時間で明らかにした。また更には,金属型・半導体型ナノチューブの分離に成功し,分子内包金属型および半導体型ナノチューブの物性を世界で初めて明らかにした。金属型・半導体型の電子状態によって内包色素の電荷分布が変化することをラマン分光測定によって明らかにした。金属型CNTは可視域に透明領域を備える為,内包色素を選択的に共鳴励起可能であることを明らかにした。
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