Project/Area Number |
18740280
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
芳野 極 Okayama University, 地球物質科学研究センター, 准教授 (30423338)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 電気伝導度 / 水 / マントル遷移層 / 上部マントル / かんらん石 / ワズレアイト / リングウッダイト / プロトン伝導 / マントル / 遷移帯 / カンラン石 / ウオズリアイト / アセノスフェア |
Research Abstract |
本度は、上部マントルの主要構成紘物であるカンラン石、ウオズリアイト、リングウッダイトの電気伝導度への水の影響に関する研究を引き続き行った。水入りかんらん石の電気伝導度への水の寄与に関しては、前年度のうちにNature誌に公表されたが、同じ号に掲載された他のグループの同種の論文の結果と大きく異なっていることが分かった。この2つの結果の大きな違いが生じる原因として、測定温度領域の違いと我々の用いたサンプルが単結晶であるのに対し、彼らの使用したサンプルが多結晶体であることが挙げられる。彼らの測定した温度領域は1000Kを超えるような高温領域であるため、かんらん石の電気伝導度メカニズムは高温で鉄の効果による小さなポーラロン伝導が卓越してくるので、単純に水の効果によるプロトン伝導だけを示さない。そのために、低温の測定を行うことが伝導メカニズムをより分けるために必要である。そこで本年度は水入りかんらん石の電気伝導度への影響を彼らと同じく多結晶体を用いて行った。我々は、多様な水の量を含むかんらん石を合成し、その電気伝導度を含水サンプルに関しては脱水がほとんど起こらない低温(<1000K)で無水に近いサンプルは高温までの幅広い温度領域で測定した。その結果、2つのメカニズムを分離することに成功し、求めたプロトン伝導の活性化エネルギーは、単結晶から得られたものに非常に良く合うことが確かめられた。一方で、前年度行ったウオズリアイト、リングウッダイトの電気伝導度への水の影響に関する論文を投稿した。その過程で査読者はインピーダンススペクトル解析の必要性を言及した。我々の通常の電気伝導度測定は、低周波数(0.1〜0.01Hz)の交流回路であることから、サンプルと電極の反応、プロトンの分極などの効果が現れる可能性を否定できない。そこで、新たにインピーダンススペクトル解析を幅広い周波数帯(1Mhz〜0.01Hz)で実施した。この解析結果から、低周波数測定から得られた電気伝導度とインピーダンススペクトル解析から得られた電気伝導度はほぼ一致することが確認された。この結果を踏まえて、論文を改訂し、2008年1月号のNature誌に公表された。
|