Project/Area Number |
18740299
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
奈良 郁子 National Institute for Environmental Studies, 水土壌圏環境研究領域, NIESポスドクフェロー (70414381)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 溶存有機物 / 放射性炭素同位体 / 安定炭素同位体 / 湖沼環境 |
Research Abstract |
放射性炭素同体は、年代測定の分野に留はらず、環境中に含まれる有機物の"同位体トレーザー"として利用され、高い評価を受けている。本研究では、霞ケ浦湖水DOMの起源をより詳細に把握するため、霞ケ浦湖水へ流入する、起源が明白な流域水試料(下水処理水、森林渓流水、生活雑排水)を霞ケ浦集水域にて採取し、△^<14>Cおよびδ^<13>Cの測定を行った。 霞ケ浦湖水、流入河川水、下水処理水、生活雑排水、および森林渓流水の△^<14>Cおよびδ^<13>C値は、それぞれ異なる場所にプロットされた。霞ケ浦湖水の△^<14>Cおよびδ^<13>C値は、測定された試料の中で最も重い同位体比を示し(△^<14>C:-15‰、δ^<13>C:-24.0‰)、この時期の霞ケ浦湖水では、湖内起源DOMの寄与が高いことが考えられる。一方、霞ケ浦湖水DOMの起源として報告されている下水処理水の△^<14>Cおよびδ^<13>C値は、δ^<13>C値は近い値(-24.9‰)を示したが△^<14>C値では-200‰を示し、湖水DOMとは明らかに異なる値を示した。よって、この時期の霞ケ浦湖水における、下水処理水由来DOMの寄与は非常に小さいと推測される。森林渓流水の△^<14>Cおよびδ^<13>値は、湖水、河川水試料と比べ軽い同位体比を示し(△^<14>C:-290‰、δ^<13>C:-27.1‰)、その放射性炭素年代値は約2700年であった。これは、森林渓流水に含まれるDOMが、霞ケ浦湖水および流入河川水と比べ、非常に古い有機物によって構成されていることを示し、森林渓流水中のDOMに、生物に分解されにくい難分解な有物が含まれていることを示唆する。森林渓流水中DOMの約60%以上がフミン物質であることからも、森林渓流水DOMが周辺河川へ流入する難分解有機物の起源のひとつであると推定される。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)