Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本年度は,現生ホタテガイ殻の酵素同位体比の測定,ホタテガイの生息場における酸素同位体比と塩分の測定を行い,酵素同位体,水温,塩分との関係を検討した。そして,化石ホタテガイやホタテガイ以外の貝類についても安定同位体比と生息環境の関係を検討した。 昨年度は北海道の網走沖,サロマ湖,青森県の陸奥湾で半年以上養殖モニタリングされた現生ホタテガイなどの貝類を採集した。また,ホタテガイなどの貝類化石を北海道や関東地域などにおいて採集した。これらの貝殻について,同位体比解析用の試料を昨年度購入した実体顕微鏡を用いてマイクロサンプリングを行った。昨年から今年にけけて,このサンプリングした試料を,自動炭酸塩前処理装置付き安定同位体比測定装置を用いて測定を行った。この安定同位体比を測定する際,安定同位体比の測定してくれる人を雇用する時に謝金を使用し,炭酸塩試料とリン酸の反応を行う管瓶や質量分析計用の消耗品類,試薬類を購入した。 ホタテガイの生息場の海水の酸素同位体比の測定は,今年度内の測定が終了できなかったため,ホタテガイの酸素同位体比温度計を定式化することはできなかった。ただ,現生と化石ホタテガイ殻の同位体比の測定がほぼ終了したので,第四紀の水温変動の復元を行った。また,ホタテガイ以外の貝類である,アワビやアコヤガイ,クロチョウガイ,イケチョウガイ貝殻の安定同位体比についても測定し,これらの貝殻にも水温の季節変動や生態変化の情報が記録されていることが明らかとなった。今後これらの貝類についてもホタテガイと同じような酸素同位体比温度計の定式化を進める予定である。 研究成果については,地質ニュース,日本古生物学会,地球惑星連合大会,AGUなどの学会で発表しており,順次論文化していく予定である。
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