Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
海水のOs同位体比組成は,河川水や風成塵に由来する大陸地殻起源,熱水活動や海洋地殻の風化に由来するマントル起源,そして隕石・宇宙塵などの宇宙起源という,異なる187Os/188Os比を持つ3つのフラックスの相対的な強度変化によって経年変動している.大陸地殻起源のOs同位体比(187Os/188Os=1.0-1.3)と,マントル起源,宇宙起源のOs同位体比(187Os/188Os=0.12-0.13)は大きく異なっているため,古海水のOs同位体比を復元することで,グローバルな地球表層環境変遷の支配要因を明らかにすることができる. このような観点から,海洋底から直接得られた熱水性堆積物やFe-Mnクラスト,有機物に富む堆積物などから,80Ma以降の海水のOs同位体比変動曲線が復元されてきている.しかし,プレートテクトニクスによって海洋底には二億年前の堆積物までしか存在していない.そこで,より古い時代の海水のOs同位体変動を復元するために,付加作用によって付加体中に取り込まれた過去の熱水性堆積物が用いられている.報告者は日本の付加体から様々な年代のFe-Mn堆積物を採取し,デボン紀後期から始新世中期(360〜54Ma)にかけての海水のOs同位体比変動の復元を行った. 本研究では,これまでの研究結果に加え,新たに北海道常呂地域(152-146Ma)および高知県穴内地域(256-252Ma)に分布するFe-Mn堆積物の採取を行い,Os同位体組成の分析を行った.その結果,常呂地域のOs比が0.26-0.42,穴内地域が0.12-0.21の値が得られた.このことから,ジュラ紀後期(152-146Ma)やペルム紀後期(256-252Ma)の海水は,現在と比べると非常に低いOs同位体比をもっていたことが明らかとなった.
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